自分ごと

迷いながらも自分ごととして……

            2018年7月23日付朝日新聞大阪本社版生活面の見出し

 

少し前は「他人ごと」とか「他人事」というのをどうするかがよく問題になった。

以前は「ひとごと」というのが一般的だった。そしてこの「ひと」を「他人」と書いて読ませたい、という向きが意外に多かった。で、新聞用語のルールとして、基本的に常用漢字表の音訓の範囲で書くということがあるので、「他人」を「ひと」とは読ませない、といって書き手ともめるわけだ。

 

現在では「ひとごと」という言い方があまり一般的ではなくなった。どうなったかというと、みなさん「たにんごと」と言っているようなのだ。

国語辞典では「他人ごと」を「たにんごと」とするのは誤用、としているものが多い。しかしこれだけ一般化すると、もう誤用では片づけられなくなってきたと思う。

 

「他人ごと」=「たにんごと」であるから、自分のことは当然「自分ごと」ということになるのだろう。少し前なら「我がこと」とか言っていたのだろうが。

この言葉はまだ国語辞典でお目にかかったことはないように思う。一般紙の記事本文や見出しで使われるようになってくると、そろそろ一般化してきたということかもしれない。